電子上の空論

しがない専門紙の記者(新米)が、勝手な空論を語るブログです。

『ファタモルガーナの館 -COLLECTED EDITION- PS Vita』という革命に夢は見たか

他人の悲劇だから耐えてこられたんだよ

まずは、こちらのHPか宣伝動画をご覧いただきたい。

PS Vita版 ファタモルガーナの館 -COLLECTED EDITION-

 

PS Vita『ファタモルガーナの館 -COLLECTED EDITION-』 オープニングムービー - YouTube

 

PS Vita『ファタモルガーナの館 -COLLECTED EDITION-』プロモーションムービー - YouTube

インディーズがシーンを引っ張る時代がゲーム業界にはきたのかもしれない

上記のリンクを見たうえで、このゲームがインディーズ発祥だと見抜けるだろうか。

この作品に関わっている人の多くはいわゆる企業には属していない(はず)、いわゆる同人サークル集団(名称:Novectacle)だ。もはや、側だけみても企業の作った市販ゲームと遜色ないことは見て取れると思う。

二次創作なら多々ある現象ではあるが(同人作家はすごい)、一次創作となるとほぼ類をみない。

そんなゲームが計5年の歳月をかけ、3DS化し、そして今回新章まで引っ提げてPS Vitaに進出したというわけだ。本日2017年3月16日発売ということで急いでキーボードに向かっている次第である。

生まれてきた奇跡たち

しかし、これまでも度々、インディーズゲーム業界は奇跡を起こしてきた。これらの方々はおそらくこのブログでも書くことになると思う。

・企業が束になっても生み出せないシステムを数多に生み及び加工を続ける『SilverSecond』のSmokingWOLF氏。

・黒船来襲。『Best. Game. Ever.』で優勝した『Undertale』で一躍時の人Toby Fox氏。

他にも青鬼等のホラーゲーム勢、インディーズにして廃人を量産したElonaも十分に奇跡と言える。

どうして、ファタモルガーナの館は奇跡ではなく革命なのか

本題に入ろう。ファタモルガーナの館はもはやインディーズ業界にとって奇跡ではなく、れっきとした革命である。

まず、他のゲームと確実に線を分けた点は企業が売れる見込みがあると身を乗り出したことである。実際、移植等は洞窟物語でもあるし、アニメ化や映画化は先にコープスパーティーがしている。この時点で、もっとも革命に近づいたのはコープスパーティーだと言える。

なら、さらに一線を分けた点は何か。これは申し訳ないが、クオリティである。一般層とは言わずともサブカル層、オタク層にまで浸透したのはコープスパーティーと青鬼くらいのもので、本当にすごいことだと思う。だが、正直ブームから10年後も語られている作品かと言われると頷きずらいところ。そういう意味なら日本には届ききらなかったが、Undertaleは十二分に革命の前駆者と言える。

話を戻そう。現在ファタモルガーナの館はコミカライズ化及びドラマCD化も達成している。そして、ボイス入りの新章を追加したことで移植との差別化もできた。残すところはアニメ化というところだが、売り上げ次第では十分に視野に入ってくる。

発売から5年をかけて飽きられもせず、小ブームという名の火がついても静かに炎は強さを増す。一過性で終わる代物ではないのはすでに証明されている。

売り方でもブームでもなく、十二分すぎるクオリティでここまでたどり着いたのは革命以外に言い表せられる言葉がない。

中身についてのお話

さて、ここまでは淡々と中身以外の話をしてきた。これでは売り上げや浸透度で作品を観ているようにも思われかねないので、少しだけ中身の話をさせていただく。

俺はセブンスコート(Novectacleのフリーゲーム)で出会い、それからすべての作品をプレイさせていただいた。俺は未だにフェアリーハウスがゲーム化する日を待ち望んでいる。

そしてこのファタモルガーナの館だが、インディーズ離れした安定感を誇るゲームだ。動画をみていただければ感じると思うが、イラストや音楽は確実に一級品、ストーリももちろん一級品である。かといって固すぎることはない。文章力は割とラノベレベルでそこが鼻につく人も少なくないと聞く。

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さらに踏み込んだ部分に関しても、明らかに得意としているであろうキャラいじめをはじめ、演出やストーリーの変調、起承転結の美しさ、キャラの立たせ方……etc.すべてにおいて一級品である。超一級品な部分がないところも良くも悪くも安定感でまとめられる。

まさに、漫画でいうところのスラムダンクのような万人におすすめしやすいゲームだと俺は位置づけている。

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拭えない不安

 だが、正直俺はオーバーワークではないかと危惧している。シナリオ等を担当する縹けいか氏は、ファタモルガーナの館の後押しもあったのか、『モーテ』と『食せよ我が心と異形は言う』の二作品を小説として発表している。それに加えて、2015年に『ファタモルガーナの館 -Another Episodes-』まで発表し、現代編と称した新章をこのハイペースで発表している。

正直、この紹介動画は俺の不安を増長させたものとなった。それが何故かはネタバレになるところもあるので伏せるが、きっと『ファタモルガーナの館 -Another Episodes-』まで終えた人は感じているところもあるはずだ。

とはいえ、縹けいか氏のことだ。そんな俺の不安なんて杞憂に終わることだろう。

聖なるかな聖なるかな聖なるかな 父よ 私を憐れみたまえ彼らの 魂に永劫の苦しみがあらんことを』